Wi-Fi 6E: Wi-Fi®で6 GHz帯を最大活用 (2021)

Wi-Fi®は、登場から20年足らずで生まれたばかりの新しいテクノロジーから私たちのライフスタイルとビジネスに欠かせない世界的なテクノロジーへと成長を遂げました。Wi‑Fiが実現した革新的な環境は私たちの仕事や娯楽に高い柔軟性をもたらし、またさまざまな場所で家族や友人とつながることが可能になりました。Wi-Fiは世界中の社会面と経済面の両方に高い価値をもたらしているだけでなく、新型コロナウイルスのパンデミックのような公共の緊急事態をはじめとする困難な時代にも社会の生産性を止めることなく継続させてきた豊富な実績を有しています。

2019年、Wi-Fi Allianceは最新世代のWi-Fi テクノロジー「Wi-Fi CERTIFIED 6」をリリースしました。Wi-Fi CERTIFIED 6は、容量に対して高まっているニーズに応えるとともに、輻輳環境でもWi-Fiデバイスが確実に継続したコネクティビティ(接続性)を提供できるように開発されています。IEEE (米国電気電子学会)の802.11ax規格をベースにするWi-Fi CERTIFIED 6は、OEM(相手先ブランド製造)やサービス プロバイダー、半導体メーカーなどのシステム環境全体を通じて幅広く導入が進んでいます。

世界中でWi-Fiデバイスの数が急増するのに伴い、このような状況をサポートするための利用可能帯域の不足、また新たに出現するより高い要件が求められるアプリケーションおよびデータ消費の急増に対する懸念も高まっています。Wi-Fiは、20年以上にわたり元々割り当てられた周波数帯のみを利用しながら高い価値を提供してきました。 周波数帯の最後の割り当てから17年近くが経過した2020年、米連邦通信委員会(FCC)は6 GHz帯の1200 MHzを開放し、免許不要で利用することを認めました。この決定により、Wi-Fiが利用できる周波数帯が事実上3倍近く広がります。他にも日本、台湾、韓国、英国、ブラジル、チリ、EU(欧州連合)、UAE(アラブ首長国連邦)をはじめとする世界中の国・地域の規制当局が、Wi-Fiによる6 GHz帯の利用に向けて動いています。

免許不要で6 GHz帯を利用することを認める国が増えるのに伴い、シリコン ベンダーおよびOEM各社は、6 GHz帯に対応するWi‑Fi 6デバイスの開発を進めることで、今後の需要増に備えることができます。6 GHz帯を利用するWi-Fi 6Eデバイスは、Wi-Fi 6がすでに 2.4帯と5 GHz帯で提供しているさまざまなメリットを6 GHz帯にまで広げるだけでなく、全体的な容量とパフォーマンスの大幅な向上を実現します。Wi-Fi Allianceは、Wi-Fi 6E製品を認定するためのWi-Fi CERTIFIED 6プログラムを提供しています。

本ドキュメントでは、Wi-Fi による 6 GHz帯利用の重要性、継続的な成功のためにWi-Fi 6Eデバイスが提供するさまざまなメリット、またWi-Fi 6Eの導入がメリットをもたらす主な市場セグメントについて説明します。